「試合当日、何を話せばいいのかわからない…」
「選手が集中してくれず、話を聞いていない…」
「ミーティングで伝えたことが試合で実践されない…」
こんな悩みを抱えていませんか?
僕もコーチを始めたばかりの頃は、当日のミーティングで何を話すべきか分からず、空回りした経験があります。
今回は、試合当日にコーチが“必ず押さえるべき3つのポイント”を紹介します。
これを意識するだけで、選手が試合に集中しやすくなり、ミーティングの時間も短くスッキリまとまります。
大前提 – 勝負はすでについている!
僕の好きな言葉に、
「練習は試合のように、試合は練習のように」
というフレーズがあります。
試合当日にできることは限られています。
選手の試合へ臨む姿勢・話を聞く態度や集中力は、普段の練習や日常で育まれるものです。
その上で、最低限意識すべきことは次の3つだけです。
① 話すテーマは最大3つまで(初出しはNG)
コーチがあれもこれも話してしまうと、選手は情報を整理できず頭が混乱します。
「攻撃で1つ・守備で1つ・メンタルで1つ」程度に絞るのが理想です。
例:
- 攻撃:(今週練習した)早めにサイドに展開してクロス攻撃を多くしよう
- 守備:(今週練習した)DFラインを高く保とう
- メンタル:最後は勝ちたいと臨む方にボールが溢れるぞ!声をかけ合おう!
ここで大事なのは初出し情報は与えないこと。
試合当日に新しい作戦を出しても、選手は対応できません。
原則:その週(や月)に練習したことだけ。
どうしても言いたいことがあるなら、過去に一度は扱ったテーマに限るべきです。
② 視覚情報メインで伝える
人が話の内容を理解する際、視覚情報が約55%を占める(メラビアンの法則)と言われます。
口頭でダラダラ説明するより、視覚的に訴える工夫をしましょう。
具体例:
- 戦術ボードにフォーメーションやマークすべき相手を記入
- 戦術ボードの裏面に「今日のテーマ」(=①で話すこと)を書く
- タブレットで動画や写真を使って大事なシーンを流す
③ 問いかけをする
一方通行で話しても、選手の記憶にはほとんど残りません。
教育学で有名な「ラーニングピラミッド」では、聞くだけの学習定着率は5〜10%とされる一方、問いかけやディスカッションを交えると定着率は50%以上に跳ね上がるといわれています。
また心理学の自己参照効果でも、質問されて自分で考えることで記憶が強化されるとされています。
具体例:
- 「今日の相手は誰?」
- 「今週の練習テーマは?」
- 「今日意識する3つのポイントは何だった?」(小学生ならクイズ形式も有効)
サッカーノートで前日に整理しよう
この3つのポイントを整理するために、前日にサッカーノートを用意することが重要です。
詳しくは 試合前日にサッカーノートで書いていること を参考にしてください。
サッカーの指導に関する基本的な考え方は、JFA公式サイトでも確認できます。
まとめ
試合当日のミーティングは 「シンプル・短い・具体的」 が鉄則です。
- テーマは3つまで
- 初出し情報は出さない
- 視覚情報+問いかけで伝える
これを意識するだけで、選手の集中力が高まり、試合での再現性もアップします。
前日のノート準備と組み合わせて、迷わない試合前ミーティングを実現しましょう。
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